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今回の記事は、今後直面するであろう「認知症」について対策する方法についてです。
今の時代、認知症は予防できる病気です。私は人生ずっと現役で生きたいと思っているので、認知症になっている場合ではなりません。
しかし認知症は、多くの方が発症する疾患です。
認知症が進行すると1人での生活が困難になり、周囲のサポートを得ながら生活することが必要となります。
自分が自分ではなくなるように感じる認知症。「今まではできていたことができなくなった」というショックから気分が落ち込み、うつになることもあります。
また、ご家族の認知症が進行していく姿を見ると、悲しくなるのではないでしょうか。
その中で「認知症が予防できるのであれば予防したい」と考えます。
結論から言うと、
糖質制限で認知症は予防できます。
今回は認知症の具体的な症状と、なぜ糖質制限で認知症が予防できるのかを解説しています。
加えて、糖質制限をする時の注意点も紹介しています。
最後まで読んでいていただければ、糖質制限で認知症が予防できることはもちろん、歳を重ねても仕事や趣味、健康な日常生活をおくることができると分かります♪
認知症とは
認知症とは、脳の病気や障がいなど様々な要因によって認知機能(記憶や判断力など)が低下し、日常生活に支障をきたす状態をいいます。
認知症の種類はアルツハイマー型認知症が最も多いです。
アルツハイマー型認知症とは脳の神経が変性し、脳が徐々に委縮していく病気です。
次いで多いのは、脳梗塞や脳出血といった脳血管疾患による認知症です。
脳血管疾患による認知症は、発症した血管・脳組織の部位によって症状が異なります。
他には、幻視が見えたり、手足が震え歩行が小刻みになりパーキンソン症状が現れたりするレビー小体型認知症があります。
また、感情のコントロールができない、スムーズに言葉が出てこない、社会性がないといった前頭葉型認知症があります。
認知症は日常生活に支障をきたしますが、具体的にどのような症状があるのでしょうか。
以下に認知症の初期症状と進行症状をまとめました。
認知症の初期症状
・財布や鍵をどこに置いたのか分からない
・数分前に聞いた話を思い出せない
・周りの人から「何度も同じ話を聞く」と言われる
・同じ商品を何度も購入する
・些細なことで怒り易くなった
・趣味に興味がなくなり、活気がない
・普段できる家事や運転にミスが目立つ
・日付と時間が分からない
認知症の進行症状
・常に物を探すようになる
・新しいことが覚えられない
・物の名前を思い出せない
・普段できる家事や運転が困難になる
・自分と物の位置関係が分からず、物にぶつかりやすくなる
・道に迷いやすくなる
・日付と時間、今いる場所が分からない
・自分と家族の関係が分からない
・発語や言葉の理解といったコミュニケーションが困難になる
・排泄や着替えが困難になる
・強い不安や混乱状態になる
認知症は糖質制限で予防できる
認知症は糖質制限で予防できます。
なぜ糖質制限で予防できるのかというと「高血糖が続くことで認知症になるリスクが上昇する」ことが分かってきたからです。
高血糖とは血糖値が高い状態。健康診断の採血結果で分かることが多く、空腹時の血糖値が100㎎/dl以上だと高血糖と言われます。
高血糖が続くことがなぜ認知症の要因となるのか、理由は以下の2つがあります。
1.高血糖は脳の活性酸素を増やす
2.高血糖によりインスリンが大量に分泌される
この2つを詳しく説明していきます。
1.高血糖は活性酸素を増やす
高血糖は脳の活性酸素が増えるため、脳の神経細胞が酸化されやすくなり認知症となるリスクが高まります。
まずは「活性酸素」について詳しく説明します。
私たちは呼吸をする時に体内に酸素を取り込んでいます。
取り込んだ酸素の約2%が活性酸素になると言われています。
活性酸素は細菌やウイルスを撃退する免疫機能の働きがあり、生きる為に欠かせません。
活性酸素は、①食事をしている時、②日光を浴びた時、③運動した時など、日頃の生活で生成されます。
しかし、活性酸素が過剰に生成されている状態になると、正常な細胞や遺伝子も攻撃するようになります。
加えて、脳の約半分は脂肪でできており、活性酸素の標的となりやすいです。活性酸素によって、脳の神経細胞が酸化し正常な機能が保てなくなります。
「酸化」とは分かりやすく言うと「体が錆びること」をいいます。正常な機能が保てないことや、老化の原因にもなります。
高血糖の状態が続くことで脳の神経細胞が酸化し、認知症を引き起こすリスクが高まります。
2.高血糖によりインスリンが大量に分泌される
高血糖にを調整するために「インスリン」というホルモンが大量分泌される際、インスリンを分解する「インスリン分解酵素」も多く使われます。
このインスリン分解酵素は、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の原因である「アミロイドベータ」という変性たんぱく質を破壊する働きも持っています。
インスリンが大量に分泌されることで、インスリン分解酵素はそちらの消費に使われてしまい、アミロイドベータの破壊まで手が回りません。
高血糖でない状態を保つことで、インスリン分解酵素がアミロイドベータを破壊できる環境をつくることができます。結果、認知症を予防できるようになります。
血糖について
認知症で糖質制限ができる理由を説明しましたが、「認知症にならないために、血糖をなるべくゼロにすれば良いんじゃないか」と極端に思われるかもしれません。
しかし、血糖には役割があるため、なるべくゼロにすることはおすすめしません。
また、そもそも血糖値とは何なのか、なぜ正常な血糖値を保てなくなるのか、疑問に思われた方もいるのではないでしょうか。
血糖の役割と血糖値、インスリンの働きが悪くなる理由について以下にまとめました。
1.血糖の役割
血糖は血液中のブドウ糖のことをいい、私たちが生きていくために必要なエネルギー源という役割があります。神経や細胞、筋肉といった体を動かす燃料のようなものです。
しかし、必要以上に糖分をとることは、体にとって悪影響を引き起こす要因となり、認知症にもなるリスクが高くなります。
2.血糖値とは何か
米やパン、麺といった炭水化物などを食べると、消化吸収されブドウ糖(グルコース)となり血液に入ります。
血糖は血液に入ったブドウ糖のことをいい、ブドウ糖の量を血糖値といいます。
採血では、血液1dl中に何㎎のブドウ糖が入っているかを確認しています。
血糖値は食後の消化吸収時に上昇した後、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され調整されています。
インスリンが分泌されることによって、血糖値が高くなりすぎないようになっています。血糖値が高すぎると、体の機能が正常に保てなくなります。
食事が終了してから、約2時間後に空腹時血糖の値(70~100㎎/dl)になります。
しかし、インスリンの働きが悪くなったり、分泌量が不足していたりすると、食後急激に血糖上昇し空腹時の血糖値も下がりにくくなります。
3.インスリンの働きが悪くなる理由
インスリンの働きが悪くなる理由として、肥満、食べ過ぎ・飲み過ぎ、運動不足が挙げられます。
これらの生活習慣により、すい臓や筋肉に脂肪がたまっていきます。脂肪がたまるとインスリンの働きが低下するため、血糖を下げることができず高血糖の状態になります。
高血糖に反応し、すい臓はインスリンを多量に分泌しようと働くのですが、やがて疲労し分泌量が少なくなります。
インスリンの分泌量が少なくなるため、さらなる高血糖を引き起こします。
糖尿病の患者さんはインスリンが適切に調整できない状態であるため、血糖値を確認しながらインスリンの注射を打っています。
糖質制限は認知症だけでなく病気の予防もできる
糖質制限をすることにより、過剰な活性酸素の産生が抑制でき、過剰なインスリンの分泌も押さえアミロイドベータが適切な役割を果たすことができます。
結果、認知症予防につながります。
加えて、活性酸素は認知症だけでなく、脳卒中や心筋梗塞、がんなど様々な病気の要因と言われています。活性酸素は血管内や細胞にもダメージを与えます。
血管にダメージを与え続けると、動脈硬化となるリスクが高まります。
動脈硬化とは、その名の通り「硬くなった血管」をいいます。
脳卒中や心筋梗塞の要因のひとつに、動脈硬化があります。
正常な細胞は活性酸素によりダメージを与えられると、細胞の修復作業を行おうとします。
しかし、修復作業の回数が増えれば増えるほど、エラーがおこりやすくなります。
エラーにより発生した異常な細胞が、がん細胞となることがあります。
酸化予防は認知症だけでなく、病気のリスクを減らすことができることが明らかになっています。
糖質制限で健やかな日々を長くおくることができる
認知症や病気のリスクを減らすことで、長く健やかに、自分らしく生きることができます。
仕事をする、家事をする、人とコミュニケーションをとるといった、今できていることが続けられるようになります。
「今元気だから糖質制限しなくても大丈夫」と思うかもしれません。
しかし、現在体が動いているからといって、今後認知症になるリスクは決してゼロではありません。
血糖値は健康診断の結果で分かりますが、数字で表示できない体の中のことまでは分かりません。
「病気になってから日常生活のありがたみが分かる」とは言いますが、病気になる前から日常生活のありがたみに気づいておきたいものです。
いつまでも健やかに日常生活をおくることは、生きがいにもなります。趣味をしたり、仕事をしたり、健康でないとできないことがたくさんあります。
糖質制限をすることで、いつまでも若々しく生きることに繋がります。
糖質制限をする注意点
ここまで糖質制限をする理由、糖質制限により期待できることを伝えてきました。
しかし、糖質制限をする際に注意したいことが2点あります。
1.どの食べ物を制限するのか理解する
2.糖質制限をしすぎない
2点を順に説明します。
1.どの食べ物を制限するのか理解する
糖質制限というと「甘いお菓子だけ我慢すれば良い」と思われる方もいます。しかし、そうではありません。
お菓子などあらゆる食べ物に糖分は含まれていますが、最も含まれている食べ物は米、パン、麺類といった主食です。
普段の食事が「パンだけ」「ラーメンだけ」といった主食だけの方は注意が必要です。
栄養が偏っていると、空腹を感じやすくなります。
この時の空腹は糖分でない他の栄養素を求める空腹なのですが、そこの判断まで人にはできません。
普段の食事が主食に偏っている方は、空腹を感じると主食を食べようとします。
主食は気軽に食べられて、すぐに満腹感を感じられるためです。
主食を短時間で繰り返し食べることで、高血糖を引き起こし、肥満にも繋がります。
主食という漢字・言葉から「主要な食べ物だからたくさん食べないといけない」と連想しますが、そうではありません。
人のエネルギーの源なので大切な食べ物ですが、過剰な主食は認知症や病気のリスクが高まります。
2.糖質とカロリーを同時に制限しない
糖質制限が大切であることを伝えましたが、多くの方が間違えてやってしまうのが、糖質制限とカロリー制限を同時におこなってしまうことです。
糖質は人のエネルギーの源。この糖質が少なくなったときに脂肪を分解してエネルギーをつくるのですが、その脂肪もとっていないと体はエネルギー不足に陥ります。
そして低血糖を抑えて倒れてしまします。
空腹時に頭がボーっとすることや、集中力が保てなくなることはないでしょうか。まさにそれが低血糖の症状です。
時々、「糖質制限で記憶力が低下した」「糖質制限で頭が働かなくて物忘れも出てきた」という声を聞きます。これらの症状も低血糖です。
他にも、脈が速くなり不安な気持ちになったり、手足の震えが起きたりします。そして、低血糖がさらに進行すると、体の機能が正常に保てなくなります。
低血糖にならないような糖質制限とカロリー制限を別々に行うことが大切です。
80歳になってもバリバリ仕事するために健康でいよう
今回は、糖質制限が認知症の予防になることを紹介しました。
その中で、認知症と症状、なぜ高血糖が続くと認知症のリスクが高まるのか、血糖についても解説しました。
以前までは、認知症になる原因は不明と言われていましたが、今ではなぜ認知症が起こるのか分かってきています。
そして、糖質との関係も明らかになってきました。
認知症の原因が分かってきた現代だからこそ、予防ができます。
しかし、「認知症になりたくない」と思われる方が多くいる中で、予防まで実行できない方もいます。
なぜかというと、「どうやって予防すれば良いのか分からないから」です。知識がなければ、予防もしようがありません。
最後までこの記事を読んでいただいたあなたなら、認知症をどうすれば予防できるのか学ぶことができました。
糖質制限が今の生活を続けるために大切であることにも気づけました。
であれば、あとは実行するだけです。
歳を重ねると体が動かなくなるのは当たり前、仕事ができないのは当たり前、ではありません。
80歳になっても健康に過ごし、現役で仕事を続けることができます。
健やかな日々を長くおくるために、糖質制限を始めましょう。